埼玉県越谷市周辺での離婚に関するお問い合せはお気軽に
電話をかける
東武スカイツリーライン 新越谷駅 JR武蔵野線 南越谷駅 徒歩3分 駐車場完備

親権について

親権とは

親権とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことをいいます。婚姻中の父母の場合には、原則としてその2人が共同で親権者となります(民法818条3項)。
父母が離婚する場合、父母のいずれかを親権を行使する親権者として定める必要があります。
詳しくは親権者を定める手続きを参照

親権の内容は、2つに分けられます。

    子どもに対する監護教育の権利義務(身上監護権)

    • 子どもの身体上の監督保護、及び精神的発達を図るための教育を行う権利義務のことです。学校教育を受けさせる義務も含まれます。他にも、居所指定権、懲戒権や職業許可権があります。
    子どもの財産上の管理処分の権利義務(財産管理権)

    • 未成年の子どもの財産の管理や、法律行為の代理及び同意をする権利義務のことです。


親権とは

親権者を定める手続

  • (協議離婚による指定)

    協議離婚の場合は、話し合いにより夫婦のどちらか片方を親権者と決めます。離婚届には親権者を記載する欄があり、親権者を記載しない離婚届は、役所で受け付けてもらえないので、未成年の子どもがいる場合には、親権者も同時に決めないと離婚はできないことになります。財産分与・慰謝料等については、離婚後に条件を定めることも可能ですが、親権者の決定だけは離婚する際に絶対取り決めねばなりません。

  • (調停による指定)

    親権者を決める話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に親権者の指定を求める調停を申し立て、裁判所における調停の話し合いを通じて親権者を決めることになります。もっとも、親権は離婚条件の中でも重要な条件ですので、親権でまとまらない場合は、そもそも離婚するかどうかも問題になりえます。したがって、親権が決まらない場合には、あらたに離婚調停申立をして、その調停の中で親権の話し合いもしていくのが通常です。

  • (審判による指定)

    親権者について調停でもまとまらない場合には、親権者指定の審判手続に移行し、裁判所の判断により親権者を指定してもらうことになります。

  • (裁判による指定)

    離婚調停で親権者の取り決めができず、離婚の条件がまとまらないために離婚調停が不調となった場合には、あらたに離婚訴訟を提起して離婚の成否や離婚の条件について争うことになります。このとき、離婚の条件のひとつとして親権を父母のいずれにするかを裁判所に判断してもらうよう申立をすれば、裁判所が判決で親権者を定めることになります。
    の事情を考慮して、総合的に判断されます。子どもが幼ければ幼いほど、親権の争いについては母親が有利といわれています。ただし、子どもの面倒を見るのには母親が向いているという理由で母親が有利といったこともたしかにありますが、これも養育能力の問題ですので、母親だから常に有利というわけでもありません。
    また、いっぽう、不貞をしていたという事情については、ほかの場面では非常に重要な問題になりますが、子どもの親権決定の場面においてはそれほど重要ではなく、その事情のみをもって親権者としてふさわしくないとの判断はされません。ただし、不貞行為により子どもに悪影響をおよぼしたという事情がある場合には、もちろん考慮されることになります。

なお、子どもの環境の変化という観点から、既存の監護状態が重視される傾向はたしかにあります。しかし、夫婦が別居状態で離婚の話し合いをしている最中に、子どもを監護していない親が、無断で子どもを連れ去る等の行為をすることは、親権者を決める協議・裁判手続中であることを無視する不穏当な行為であり、親権者の適格性を判断するうえでは大きなマイナスとなることもありますので、注意が必要です。

親権者の指定基準

裁判所が父母のいずれを親権者と指定するか決定するに当たっては、一般的に以下のような点を総合考慮のうえ、子どもの利益と福祉を基準として決定します。

  1. ① 監護候補者の子どもに対する愛情
  2. ② 監護候補者の収入などの経済力
  3. ③ 監護候補者の年齢や心身の健康状態
  4. ④ これまでの監護状況
  5. ⑤ 住宅事情や学校関係などの生活環境
  6. ⑥ 子ども本人の意思 ※
  7. ⑦ 子どもの年齢や性別、発育状況
  8. ⑧ 環境の変化の子どもの生活に対する影響
  9. ⑨ 兄弟姉妹が分かれることになるか

※15歳以上の子どもの親権を審判や訴訟で定める場合には、裁判所が子ども本人の意思を聞く必要があります。ですから、ある程度の年齢の子どもの場合は、親権者の決定には、子どもの意思がかなり重要となってきます。

親権者の変更

いったん決められた親権者を変更したい場合には、父母の協議のみで簡単に親権者を変更することはできず、親権者変更の調停・審判を家庭裁判所に申し立てて、新たな親権者を家庭裁判所で指定してもらうことになります。
親権者が変更されるのは、子どもの利益のために必要があると認められるときに限りますので、そのハードルはかなり高いといえます。

監護権について

監護権とは

親権の内容は、身上監護権と財産管理権に分かれますが、この内、身上監護権だけを取り出して、親が子どもを監護し教育する権利義務を「監護権」と呼びます。一般的な理解としては、「監護権とは、親権の内、子どものそばにいて、子どもの世話や教育をする親の権利義務」ということでよいでしょう。
監護権は本来親権の一部ですから、原則として親権者がこれを行使します(親権者と監護権者の一致)。しかし、親権者が子どもを監護できない事情がある場合や、親権者でない片方が監護権者として適当である場合には、親権者と監護権者が別々になることもありえます。

たとえば、

  • 「親権者は父親だが、父親は長距離ドライバーで家にいる機会が少なく、子供の面倒を見れない。」
  • 「財産管理については父親が適任であるが、子どもが幼いので母親を監護権者としたほうが子どもの世話をするうえでは都合がいい。」
  • 「親権者をどちらにするか話がまとまらず、妥協的に折り合いをつける必要がどうしてもある。」

といった事情がある場合には、例外的に父親=親権者、母親=監護権者(逆もあります)と定めることができます。
親権者を父親と定め、監護権者を母親と定めた場合、子どもは戸籍上父親の戸籍に残りますが、一方で、実際に引き取って子どもの面倒をみるのは母親ということになります。

監護権者を定める際のポイント

  1. ① 離婚届には親権者を記載する欄はありますが、監護権者の欄はありません。ですから離婚後のトラブルを避けるため、協議離婚の場合は、親権者の取り決めを必ず書面に残しておきましょう。
  2. ② 監護権者は、両親以外の第三者がなることも可能ですので、祖父母や叔父叔母などの親族がなることもあります。
  3. ③ 監護権者は、親権者の定めと異なり、離婚と同時に決めなければならないわけではありません。離婚成立後でも監護権者を決めることができます。父母の協議で決めることができないときは、家庭裁判所に「子の監護権者の指定」の調停または審判を申し立てて決めてもらうことになります。

監護権者を定める手続

監護権者を定める手続は、親権者を定める手続とほぼ同様です。まず、話し合いで監護権者を決めることになりますが、それで決まらなければ、家庭裁判所への調停ないし審判の申立によって、裁判所を介して監護権者を決めることになります。

監護権者を誰にするかの判断基準も、子どもを十分に養育していけるか、子どもの成長のためにはどちらを監護権者としたほうがいいかといった、子どもの利益・福祉を中心にして考えられています。

子供の扱いについてもっと詳しく
Copyright (C) 2016 Ecclesia Law Office. All Rights Reserved.